図左上、青森から津軽海峡を越えて3.5~3万年前に雪と寒気の暮らしに適応した北海道祖人Proto-Japanese Hokkaidoが今注目です。
図右、昨年メキシコ北部高地で3万年以上前から万年にわたる季節的な居住を示すとみられる遺物を発掘したと、地元・英国・デンマークなどの3大学チームが一流科学誌Natureで発表しました。当時の大陸氷床の状況から内陸移住は出来ず、太平洋沿岸から入って来た(Coastal Migration Theory)のだろうと言われています。熊やコウモリ、ネズミなどの動物の骨や燃えた跡、何より外から持ち込んだとみられる石灰石の石器(2000個)などから判断されたものですが、石器に関する疑念やDNA分析などで得られているこれまでの定説を1.5万年も遡る驚きの古さで異論も出て論議中です。DNAについては、現代人に繋がることなく途中で消えたのだろうと発言されていますが。
問題は、この関連で、北部九州への渡海で始まり、図左下、38,000年前から伊豆の海を東京諸島南部の黒耀石を求めてフネで行き来していた「伊豆祖人」(おそらく専業で広域交易もしていた、原始人ではない)、その子孫の北海道祖人が、北上を継続してベーリング地峡に至り「最初のアメリカ人・先住民」Natives ―First Americansに関わっていた可能性について、世界はもとより日本の大学生ですらよく知らない事です。①北海道へは北からマンモス・ハンターなどが入って来たという北上の見方の無い北海道史の誤解、②更に北上の可能性は、遺跡・遺物で、はっきり確認できず語らないという日本的な非科学的態度に問題があります。北海道の熊や北キツネは石器を作りません、たとえ酸性土壌のために融けて人骨の発見が無くとも、遺物が示す北上した「祖人」Proto-Japaneseが作ったのです。子供に教え、オリンピックの世界に発信し、学術論議に「北海道祖人」の積極的な参加を。