人類史の百貨店(1)―Mal yang pra dan modern sejarah

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私がそういう目で見てしまうことも一因ですが、パンカル地域では万年の伝統を感じることが多いです。

休日朝に子供たちが清掃活動をしていることを見ますが、ちょっとした道路や橋の修復など公共のために助け合う、gotong -royongの精神が強調されています。

歴史教科書の先史大昔の項の記述でも、人々は既に助け合っていたとの記述になっていますが、学術的にも現生人類の類人猿との大きな違いはコミュニケーションとこの助け合いにあったことが裏付けられています。(下写真の格好はちょっと現代的なハイカラですが)

更によく見ますと、先取りした今の男女共同参画にもなっています。

旅しましたスラウェシ島のマカッサルの港町の像ですが、どこかの国のように空しいエライさんの像ではなく、伝統衣装を纏った父母、男女ペアの像で女性が前の、日本にまで共通する天照大神、日巫子の昔の伝統の母系社会を感じます。

そして、万年の遺物が残らないため注目されませんが、おそらくいろいろ活用されていたであろうと思われますのが、木と竹製品です。

隣の市のGarutの湖には、日本同様に足で漕ぐおもちゃ舟がありますが、ここでは万年の筏舟もあるところが正に人類史の百貨店です。

そして、日本に至るまで竹製品を佳しと感じ、生活のための素晴らしい芸術作品が生まれているところも正に伝統継承の技とらしさです。

実はこれらは、内陸で石器・金属を多用し寒冷降雪の地で大型哺乳動物を狩猟して切り裂き食していた人たちとの大きな違いの一つでしょう。

生活ぶりや気性も含め、現代があらためて注目すべき木や竹を多用した寒さのない地で魚介獲りする海・舟の民の特質をよく示すものであると考えています。私たちが忘れてしまった多様な魚獲りの木・竹製品も沢山あります。

(了)

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