現代に蘇る、大正時代の考古小説「三千年前」!

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明治10年、米人E.モースが大森貝塚を発見しアイヌ以前の人によるものであると言い、坪井東大教授は北海道に同じくアイヌ以前に居た先住のコロボックル説を唱え、日本の人類・考古学の扉が開かれました。残念ながら、北千島に逃げて行ったとアイヌの伝承にあるコロボックルは、現地にいないし話も無いとして否定され立ち消えました。石器時代人の話を明治になって出かけて居ないからと否定する方が科学的でなかったのです。

ところが、大正時代になって、冒険空想小説と紹介されている「三千年前」が、実は専門家ではないものの十分に歴史考古学を勉強した江見水蔭(えみ・すいいん)(小説家翻案作家雑誌発行者冒険家)によって書かれました。それは、①三千年前(奇しくも縄文人)も②アイヌより先住の石器人も③関東多摩川(大森貝塚の影響)を代表させ広範囲に居たと言う認識も④北に逃げて行かなかったと言う記述も、全て当時の最先端のもので、かつ、現代人の誤解などより遥かに現代的な驚くべき内容です。厳しい皇国史観の縛りの中で、小説の形をとっていわば「日本祖人」を追求した在野の歴史考古学家の挑戦の論文です。いわば縄文人に勇者スマンベと初めて名前を付けたことも空前絶後のものです。坪井権威が説を唱え、弟子が現地研究でそれ否定し、それをまた在野研究家がやはり坪井初説が妥当と小説の形で否定した、今も学ぶべきものがある素晴らしい先人の歩みです。アイヌ「先住」国会決議という歴史の誤りを犯した国会議員先生方に、武漢コロナの自宅学習で学んでほしいものです。


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