(2022人類史最前線-3)最初のアメリカ人、欧米先生は南米や千島にも目を向けよう!

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図A南極から2千kmの南米南端へ来たマゼラン一行が毛布を使う寒さなのに、フェゴ島のヤーガン族が半裸・肩ショールなのにびっくり。どこから?誰?と今も謎の先住部族ですが、伝統の籠や銛・もり、マゼランたちが注目した焚火などは、縄文Jomonを思わせるモノです。

図B北千島人「ルートン」は、明治32年に現地調査した鳥居龍蔵が、本道第2アイヌより余程古い石器時代的な要素を留める遊動海民(流木で造られた舟で広域を行動)の暮らしだと紹介しました。調査直後の重要なコロボックル論争で否定的事象を報告しましたが、実は、よく検討すれば否定されたコロボックル(恩師である坪井東京帝大教授のコロボックル)説が正しいと発表(大正6年、認識訂正)していますが、今の学界は最初の否定報告を引きずったままのような無視で問題です。ルートンは、広域の北の海で行動し、かつてはカムチャッカ半島にも拡がっていて、カムチャダールの進出に伴い押されて後退したものとみられ、北海道祖人―縄文人の子孫である事と共に、北上していた痕跡と考えられますので重要です。図Cは、Harvard医科大のDNA調査で発見されたアマゾン古部族とアンダマン種族・豪アボリジニの不思議な類縁で、何故かは今もって説明されていません。実は北米と南米は、言語学的には先住の万年の大昔から共通性が指摘されていますので、ヤーガン族や高地アンデス、アマゾン奥地の研究などは痕跡探しに重要です。昨年の米ニューメキシコWhite Sandsにおける2.3万年前の足跡発見報告で、これまで多少の欠陥が指摘されたり謎だとして放置されている説や問題に光が当たって来ており、広い範囲の総合的な国際研究が求められている時代なのです。

日本人の祖先に関わる問題でもあり、始まりの理解なくしてその後の正しい歴史の認識には至り得ませんから、生徒・学生に教え、国際研究に学界が積極的に関わるべき課題なのです。

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